母を特養に預かってもらった

| コメント(9) | トラックバック(0) Clip to Evernote

先週の土曜日、母が特別養護老人ホームに入所した。ご存知の方もいらっしゃると思うが、この特別養護老人ホームというのは入所を希望している方が多く、入所までにかなり待たなければならないというのが通例なのだ。僕の母のケアマネージャーさんもそのように言っておられた。だからと言って申請をしなければウェイティングリストにも載らないので、まずは申請書を出しましょうと、先月末に三件をリストアップして頂き、そのうち一件はケアマネージャーさんが持参してくれ、後の二件は病院の検査結果なども必要だったりで、つい最近担当医師にお願いしたところだった。

それがどういう訳か、ケアマネージャーさんが申請書を出してくれた施設から、空きが出たようで入所可能との連絡を頂いた。その第一報を頂いたのが4月15日。それから22日には契約をして25日には入所。施設側では20日でも受入れ可能なんて言われたのだが、あまりに急なのと、前述したようにどうせ早くても一、二年は待つだろうと思っていたので、こちらの心の準備もできておらず25日にして頂いた。

母本人は事前に入所の件を言ったところで覚えてはいない。それだけ認知症も進んでいるのだが、施設に入ること自体には拒否反応を示す。だから敢えて何も言わず、日帰りのデイケアにでも行くような感覚で送りだした。

母の認知症はアルツハイマーに起因するもので、もちろん人によって違うのだろうが、一般的に被害妄想的になったり、時には暴力性を伴う反抗的な振る舞いをする事もある。母はまさにそれで、最近は被害妄想的なところはかなり少なくなったように思うが、それでも大声で逆らったりする事はまだある。それに昼夜の逆転が激しく、まともに寝てくれるのは三日に一度ぐらい。寝ないとなると、いくらベッドに連れていっても直に起き出してきて意味不明な事を言い出し、明け方まで起きていることもある。

放っておけば良いではないかと思うかもしれないが、隣で寝ている、心筋梗塞を患っていまだに薬を服用している父を起こしたり、また母自身も足腰が悪い為に転んだりすることもある。だからどうしてもできる限り様子を看ることになる。母も疲れて、思ったより早く寝る事もあり、そんな時はこちらも眠られるのだが、やはりぐっすりと安眠できるものでは無い。

今はなんとか在宅で看護ができているが、いずれ近いうちにこちらの負担も増えてくるに違いないし、何より父には今現在も結構なストレスがかかっているだろう。そこに今回の入所可能の知らせ。この機会を逃したら次回が何時になるのか解らない。そんな訳で、まだ多少は余裕があってもこの機会に決断した方が良いということになったのだ。

特別養護老人ホームというのは、言ってみれば終の住み処ともなるところだ。もちろん出たいといえばいつでも出られるのだが、これからますます病状も進行し、僕や父の名前や存在自体も完全に判らなくなるだろう。それだけではなく体力も落ち、寝たきりになる事さえ十分に考えられる。良くなる事が考え難いとなると、母がこの自宅に帰ってくる事は、短期の帰宅ぐらいしか考えられない。それを思うとやはり申し訳ない気持ちにもなる。かと言って、何より我々の生活のことを考えれば割り切らなければならないし、実際我々から母の介護の手が離れる事を希望もしていた。その辺は矛盾しているが、やはり簡単に割り切れない思いを引きずってもいる。

今心配なのは母が新しい環境に馴れてくれるかなのだが、その前に職員の配置も限られている施設での心配事もある。実はさっそく日曜日の夜中に一人でベッドから起き出して転倒をしてしまった。頭を2センチ程切ってしまったとのことで電話を戴き、昨日様子を看に行ってきた。今のところ切り傷だけで異常は見つからないようだが、足腰が悪いとは言え、まだ歩けるだけに職員の方の目が離れた隙に転倒というのは十分考えられるリスクだ。もし骨折でもしようものなら、更に寝た切り状態が近づくことにもなってしまう。

それと新しい環境に対しては、やはりかなりの拒否反応があるようだ。特に夜になると大声を張り上げたり、職員の方に抵抗したり、他の入所者の方に暴言を吐いたりしているとのこと。しかし今のところはなんとか新しい環境に馴れてくれるよう様子をみるしかない。もっとも馴れるというのはこちらサイドの考え方で、母にとってはある種の諦めかもしれないが、そのように考えると更に切なくなるので馴れてくれるという言葉を使わせてもらう。

幸い施設は自宅からも車だと5分そこそこと近く、いつでも様子を見に行ける。まあそれは良い事の一つだし、何より順番待ちでなかなか入所が困難な施設に入れた訳だから、やはりラッキーであったと言うべきだろう。しかし今は母が入所施設で落ち着いて日々の生活ができる様になることを切に願っている。もしどうしても馴染まないようだと、また自宅に連れて帰り、ヘルパーさんやデイケアを駆使して看護をするという生活に戻ってしまう。できることならそれは避けたい。

追記のようになるが、今日も午後に覗いてみた。昼間は穏やかで何よりなのだが、僕の顔を見ても帰りたいと言う事がないのだ。昨日もそうだったのだが、昨日は椅子に座ってうたた寝状態だったので、そんなことを感じることは無いだろうと思っていたが、今日は起きている。早計に判断はできないが、もはや自分が何処に居るのか認知ができていないようだ。だから里心が拭いきれず、家に帰りたいという思いが頻繁に出る事も無いかもしれない。それは安心材料が一つ増えたという事なのだが、もはやそこまで病状が進んでいるのかと、なんか複雑な気持ちだった。

随分長々と記してしまった。まあいつもそうだけど、今回は特に自分の気持ちを整理する為に記述した。ブログをあげる時は、基本的に自分が書きたいからなのだが、やはり何処かで読者を想定して記述している。でも今回はいつも以上に自分が記しておきたかったから。おかげで多少なりとも自分の気持ちをなだらかにすることができた様に思う。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.sumainobaiten.com/blog/mt-tb.cgi/1671

コメント(9)

お母様のこと、ご心配でしょうが、ご自身も体調を崩されませんように。

大変でしょうが、頑張って下さい。

> Letticiaさん
>Zaireekaさん

ありがとうございます。いや、特養に預かってもらったら大変さというのは無くなりました。ただ気持ちの持ち方で【心配】というのは残っていますが。

通りすがりの者ですが、複雑ですね。
私にも年老いた母がおりますが幸い元気に蔵いております。
しかし、いつ同じような立場になってもおかしくないと思っています。
あまり頑張り過ぎないようにして下さいね。

>通りすがりさん
そうなんですよ。親御さんがご健在なら誰にでも起り得ることなんですよね。それと理屈では判っていてもという気持ちもよく出てきますね。

こんにちは。いつも覗かせていただいています。

同居の祖母も少しずつ、けれど着実に、認知が進行している状況です。認知症そのものの症状はどちらかというと無気力の方に出ているようですが、一方でアルコール依存もあるため飲んだ場合にはジキルとハイドのごとく性格が変わり手を焼いています。うまくいっているときにはこちらも心穏やかでいられるのですが、そうでないときには早くこの苦行から抜け出したいという気持ちにもなり、こと祖母に関する限り渋く切なくやるせない日々です。自分たちの生活や自由を守りたい気持ちと、そうした気持ちを持つことへの罪悪感と。

こちらでお母さまの話を伺う度、同じような状況、そして同じような割り切れない悶々とした思いに触れ、自分だけではないのだという励まされるような、慰められるような、許してもらえるような気持ちになり、肩の力が抜けます。ありがとうございます。

特養に入られたとのこと。ご家族にはいろいろな思いが渦巻くこととは思いますが、これまでの介護疲れを癒され、お母さまともどもいい日々を過ごされますようお祈りしています。(長文失礼いたしました。)

> byakko さんコメントありがとうございます。

おっしゃってる事よーく判ります。言葉が適当じゃないですが究極のことさえ頭によぎりますもんね。
面倒とかいう気持ちでは無く、親近者から手を離れて介護してもらうというのも良い方法なのかもしれません。それでも勝手なもので家族にはわだかまりも残るのですが・・・。

こんばんは

特養で検索していてこちらに行き着きました

思ったより早く施設が見つかって本当に良かったですね
体が楽になった分、気持ちの上でお母様の事を心配されるのは
親子なのですから当然ですよね
でも、時間に余裕の出来たところで
面会時にお母様に優しく接してあげられるのではないでしょうか

私の父も数年前に認知症と診断されてました
今は母とふたりぐらしですが
母自身、足腰が弱ってきて要支援の身なので
毎日実家に通って私が手助けしていますが
一人暮らしの姑も入退院を繰り返してもう一人ではムリになって来たので、ケアマネさんとも相談して特養を申し込む事にしました
本当はもっと早く申し込みたかったのですが
先槍をしてくれている弟が介護サービスのことなど何も知らなくて、その時でいいくらいに思っていたようです
急性期病院の事や、介護保険適用の施設など
知りたかった事が詳しく書かれていてとても役立ちますので
またゆっくり拝見させてくださいね

コメントする

track feed 感じ通信
あわせて読みたいブログパーツ
OpenID対応しています OpenIDについて
Powered by Movable Type 4.29

カレンダー

<   2009年4月   >
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

このブログ記事について

このページは、keizoが2009年4月28日 23:17に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「Isolator がいいんです」です。

次のブログ記事は「期待もしているこれからの日本」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。