先日、友人と Skype にてチャットをしていた時に【空売り】なるものの話になった。株式の取引に使われる用語なのだが、もちろん聞いたことはあったし、朧げながらこういうことなんだろう位は判っているつもりだった。
株価が下げ局面の時に証券会社から株を借り、それを売って、後に株価が下がった時点で同じ株数を購入して返却する。つまり 100円で借りた株を売り、その後 70円になった時点で同じ株を購入して借り先に返却する。その差額が利益ということらしい。
ここでぼくが判らなくなったのは、売るということはその時点で売却代金が入る筈だよな。ところがそうでは無いようなのだ。えっ、違う?だったら利益(買った時より株価が上がったら損失)が確定するのはいつ?そのことがどうしても判らなくて、チャットじゃ埒が明かんと音声に切換えたほど。
ところが音声で聞いてももう一つよく判らない。判らなかった理由はやはり空売りであろうと、その売却代金が投資家に入らないという一点。だってその元になるものが無かったら、借りた株を返却する時に利益あるいは損失が確定しないでしょ。でも友人からは『この判らんちんが!!』と言われる始末。
結局、投資家が証券会社から借りて売却した株の売却代金は証券会社が預かるということらしい。なるほど借りた株を返却するまでは株の売却代金は証券会社の預かりということなんですね。納得。
後日、ほんの少しネットで調べてみたら、借りる時に手数料が要ったり、貸株料が必要だったり、また逆に証券会社ははじめの売却代金である100円を預かるので、その金利(日歩)を投資家に支払うなどということもあるらしい。うーんそうだったのか。
それで次に不思議に思ったのが、このシステムは一体何の為にあるのだということ。ある企業の株を保持するということは、その企業の業績が上がり、後に株価が上がることを期待してのことだと思う。建前かもしれないが、投資家は企業に資金を出し、『お前ら頑張ってくれよ。』ということで支えるということですよね。
ところが逆に株価が下がった方が投資家にとっては利益が出るなんて、建前かもしれないが株を保持することでその企業を応援するという前提が崩れてしまう。でも実際にその空売りというシステムがあるんだよな。だったら何の為に?そう思いません。確かに投資家にとっては株価が上がろうが下がろうが利益を出せる道筋があるというのは良いのだろうが、なんか企業にとってはというか、的外れかもしれないが、経済にとっても意図せぬマイナス要因が出てこないのだろうか?そんな風に思った。
でも歴然としてその空売りというシステムが存在する。だったらそのシステムが存在する理由がある筈なんだ。そこで考えたのが、おそらく株式の流動性を上げる。つまりは株式取引を活性化させるというのかな。その程度のことしかぼくの頭の中には浮かんでこなかったんだけど、どうなんだろう?一応ウィキペディアでもチラッと同じようなこと、つまり【市場の流動性を確保するには必要な取引】との記述があったけど。他にも建前としてのあるいは本質の存在理由ってあるんだろうか?
いずれにしても、この手の投資関係の仕組みって知らない人が結構多いんじゃないだろうか?そんなことは無い。真っ当な大人ならみんな知っている常識だって言われそうだけど。でもこれから先、更に日本でも投資あるいは金融商品の売買が多くなってこざるを得ないんじゃないだろうかと思っている。そう思うと最低限の仕組みは理解しておく必要があるのかもしれないなんて、今までポッかーんとしていたぼくは思うのだ。


空売りは何のズバリ市場の流動性を確保するためです。
流動性を確保することで、市場の流れが一致方向にいってしまいかつての恐慌の時のように一晩でほとんどの株が紙くずになるというような雪崩現象を防ぐために、様々に開発されてきた「金融工学」の方法論のひとつとして定着しています。
(もっともその方法自体は大坂の米相場の時代からあったものですが)
ある株に期待するから買う、期待できなくなったから売るという2種類しか投資判断ができないなら何かの材料でウリが殺到したりして、株価が大きくぶれてしまいます。皆が同じようなポジションしか持てないからです。
しかし空売りで株が下がれば儲かる、上がれば損するというポジションも持てるなら、現物売買には参加する気がない投資家も参加するようになります。
こういう選択肢が増えれば、確率としていろんな考え方のいろんな投資家が集まるようになり、結果として材料で株価が大きくぶれるということも少なくなります。
空売りをかける本人はギャンブルのようなつもりでかけるのですが、市場全体としては、そういう人の層(これを流動性といいます)のおかげでバッファーができて、市場が安定します。
事実先物市場が充実して大恐慌のような株価の短期大変動は減っているようです。
空売り自体は結局借金で張るわけですからリスキーな博打ですが、そういいう人たちのおかげで大部分の長期投資家は保護されるという考え方です。
この考え方はコモディティでは成功しているようです。為替もそうです。
残念ながら国内株式市場だけは特殊事情で、微妙な結果ですが。
muta さんコメントありがとうございます。
なるほど、言われてみたらその通り、一方向だけしか儲かる術が無いというのは確かに大きな危険を孕んでいますね。
でもこういう仕組みって誰が考えたんだろう?なんか人間の心理をも読んだ『金融工学』ですね。それに国内株式市場の特殊事情というのもどういうものか興味がありますね。