NHK(今はBS2でシリーズ第11、BShiでシリーズ8らしい)でやっていたER(緊急救命室)というアメリカのドラマ。欠かさず見ていた訳でないが、かなり好きなドラマだ。日本題の緊急救命室が示す通り、日本で言うところの救急救命センターのようなものを舞台にしたドラマなのだが、いつも不思議に思っていたことがある。いくらドラマとは言え、ちょっと多忙すぎるのではということだ。それにどう見たって急患じゃないだろうという患者も多数登場する。
しかし先日アメリカの友人とSkypeしていてその謎が判った。
話しは友人が坂道で信号待ちをしている時に、前に停車していた大型ダンプが後ずさりして逃げ切れずぶつけられた事から始まった。バイクの前輪とハンドル部分が大破。幸いケガは大したことなく、肩が少し痛み、手を持ち上げ難いという程度だったらしい。ただし医者に診てもらったら、念のためにMRIを撮った方が良いだろうとのこと。そしてその費用がなんと2,000ドル、日本円にして約23万円。
それを聞いて、『そりゃ馬鹿高だろう!!』そう思いますよね。あっ、そうか『それって、保険の効かない場合だよね?』と尋ねると、やはりそうだった。彼は個人事業主なのだが、自分で毎月医療保険を掛けている。しかしその保険は後から適用されて払い戻されるとのことで、まずは自分が立替える必要があるらしい。
今回の場合は相手方が殆ど過失のある事故なので、おそらく相手方の保険が適用されるのだろうけど、それでも確定するまでは自分で立替えるらしい。これは困りますよね。約23万円と言えば結構な大金ですよ。いくら戻ってくるとは言えちょっとねえ。
そこでちょっと調べてみたんですが、米国の医療保険制度は日本のように公の物はほとんどなく、個人で民間の保険会社に加入するのが主流のようです。【研究留学ネット】というサイトに【アメリカの健康保険】というページがありました。下手な説明よりこちらのサイトをご覧になって下さい。無理に理解したところ、掛かり付けの医師を予め決めなければならないとか、友人の様に自分で保険会社に請求をするとか、自己負担金は幾らとか、大まかには4つぐらいのパターンがあって、それらを自分で選択するようだ。
友人によると、もちろん勤務している会社によっては、会社が健康保険の一部を負担してくれる会社もあるらしい。しかし昨今では大手のしかも業績の良い企業に限られているとのこと。たとえば友人の暮らすワシントン州ならマイクロソフトとか相当名うての企業に限られる。また、高齢者や低所得者向けに最低限の治療や診療を受けられるようにとの公的保険もあるらしいのだが、それも州によっては無いところもあるらしい。
上記のサイトにも高齢者や低所得者向けに公的健康保険があるとは書いてあるが、それがどの程度の物かは判らない。友人によると、最近マサチューセッツ州で公的健康保険を導入したところ、同州への移住者がどっと増えたとのことなので、おそらく従来からの公的健康保険を導入している州でも相当使い勝手の悪い物なのだろう。
さて、そこでER(緊急救命室)というドラマの謎の何が判ったのかということだが、米国全土でER(緊急救命室)は総ての患者を診なければならないという決りがあるらしい。タダに成るんじゃないですよ。取りあえずは診察しなければならない。だから健康保険に加入していないからウチでは診察しないよとは言えないということだ。逆に言えば、普通の病院だとウチじゃ診察しないよと拒否できるということだ。
健康保険に加入していないとなると、そりゃやっぱり低所得者とか不法移民とか移住者というのが多くなる。そして医者に掛かると全額負担なので我慢に我慢を重ねるが、やはりどうしようも無く病院へということもある。しかし全額払うからと言っても、すんなりと診察してくれる病院はそんなに無い。したがって頼みの綱のER(緊急救命室)へと言うことらしい。そんなわけでER(緊急救命室)というドラマの多忙さは至極納得のできるものだったのだ。
しかし米国というのは、なかなかに厳しい所でもあるな。友人の毎月の健康保険料も、聞いたら結構な金額だった。色々問題がある日本の健康保険制度だが、ぼくには今の所日本の制度の方が良いなと思った。しかしこれがいつまで続くのかという不安はあるけれども。
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コメント (4)
はじめまして、通りすがりですがコメントさせていただきます。
ERの舞台になっている病院が、郡立病院(カウンティー・ホスピタル)だというのも関係していると思います。
私が住んでいる町でも、カウンティー・ホスピタルのERはとても混雑していますが、私立の病院(プライベート・ホスピタル)のERはそれほどでもないです。
私の住んでいる町のカウンティー・ホスピタルの場合、この郡(カウンティー)の住人であれば、保険がなくても、医療費が免除されます(税金でまかなわれます)。
丸一日ERの待合室で待って、やっと診てもらえるということもざらですが、保険がなくて行き場がない人が、多く集まっています。
ERの舞台となっている、シカゴのカウンティー・ホスピタルも似たような状況かも知れません。
投稿者: まよりの夫 | 2006年08月06日 03:03
日時: 2006年08月06日 03:03
まよりの夫さんコメントありがとうございます。なるほどそういう状況もあるのですね。
ホームページの【研究者の妻たちへ ~ 子供を連れてアメリカ留学】チラッと拝見させて頂きました。凄い情報量ですね。察するところお住まいの地域が南部だと思われますが、米国のこと、州によっては医療にも違いがあるものなのでしょうか?
投稿者: keizo | 2006年08月06日 12:22
日時: 2006年08月06日 12:22
私たちが住んだ、中西部と南部の中規模都市では、地域(州)による医療格差は、あまりかんじません。
これが、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴなどの大都会や、サウスダコタの田舎町(失礼)と比べてどうかは、わかりません。
ただ、同じ町でも、病院の規模、医者の経歴・年齢などによる医療レベルの差はあるように感じます。
投稿者: まよりの夫 | 2006年08月08日 13:43
日時: 2006年08月08日 13:43
まよりの夫さんお返事ありがとうございます。
日本でも病院の規模、医者の経歴・年齢その他による医療レベルの差はありますよね。
最近、日本もアメリカと同じように、誰でもが望む病院に掛かられるという状況は無くなりつつあるのかなと感じています。それが専門医に掛かる必要があるかないかということならまだしも、経済的な格差とか、そういう傾向も出てきそうな予感を感じています。
投稿者: keizo | 2006年08月11日 15:17
日時: 2006年08月11日 15:17