中田英寿の伝えたかったこと

7月の15日だったか、テレビ朝日系列で放送されたヒデ(中田英寿)の特集。前宣伝で『ヒデが日本代表で伝えたかったこと』をヒデ自身がインタビューで語るとのことで興味があった。(テレ朝のリンクを辿って行ったらYahooスポーツに動画がアップされていた。でもMacじゃ見れない。)

テレビ番組の方は所用で頭からは見ることができなかったが、肝心な所は間に合ったようだ。

彼の表現では、それは【覚悟】という言葉で表していたとぼくは受取った。

ちょっと漠然としていると言えば言えなくも無いが、要するにどれだけの【覚悟】を持って今回のワールドカップに、いやワールドカップだけでは無く代表としての試合に取り組んでいるかと。そしてもちろん彼の目から見れば、代表全体にその雰囲気が強く感じられなかったということなのだろう。だからこそ、彼はその強い姿勢を代表の皆に持って欲しかったんだろうと思う。

ぼくはヒデが何を伝えたかったのだろうかと、今回の放送の前から自分なりに考えてみたことがある。ぼくがこんなことかな?っと思いついたのは、【もっとハングリー精神を持て】というものだった。と言っても衣食住足りた日本の環境では、サッカーでトップになることで貧困から抜け出るとか、そういう状況でないことは明らかだし。それが無いから駄目だなんて言うつもりも無い。そんなこと言ってたら、日本が貧しい社会にでもならないとサッカーでは強国に成り得ないなんてことになる。

'93年Jリーグ開幕直後のドーハの悲劇。そしてその後のジョホールバルでの試合で初めてワールドカップ出場の切符を手に入れた日本代表。ヒデはそのフランスワールドカップ予選から日本代表の中心選手の一人になった。周りにはJリーグ開幕以前からサッカーを生活の中心にしていた選手達がたくさん居た。

Jリーグ開幕前、日本のサッカーは今とは雲泥の差があった。テレビ中継なんて、高校サッカー以外には正月の天皇杯ぐらいしか記憶に無い。天然芝のグラウンドだって数える程だろうし、日本リーグの観客だって悲惨な数字だったと思う。そんな状況を知っている選手達が、フランスワールドカップ予選にはまだ多数を占めていたのだ。おそらく彼らの勝ちたい、上手くなりたい、向上したいとの気持ちは、それは貪欲だったのではないだろうか。ぼくが言う【ハングリー精神】とは、サッカー、そして勝利に対するそんな貪欲さだ。

どれだけの選手達が、自分たちがワールドカップに出場することでJリーグがもっと盛り上がると考えていたのかは判らない。でもプロリーグでき、やっとサッカーが日の目を浴びてきて、ヨーロッパ等のサッカー先進国に肩を並べたいとの気持ちは誰もが持っていたに違いない。おそらくヒデはそんな先輩達の貪欲な気持ちは十二分に感じていたのではないだろうか。ワールドカップ中に図書館で読んだNumberの中田英寿と三浦和良との対談記事からもそんな感じを受けた。

残念ながら今回の代表達にはそんな貪欲さが欠けていた。ぼくはそんな風に感じていた。技術からいけば、おそらく今回の代表の方が数段レベルが上だろうと思う。でも決して悪いことでは無いのだが、もはやサッカー選手のステータスは確固たる物になっているし、リーグだってそれなりの注目度がある。そんな中でつい忘れてしまうサッカーに対する貪欲さ。誰がと言うことでは無い。チームとして見た時に全体として欠けていた。ぼくはそう思っていた。

ぼくが考えていたこととヒデが伝えたかったという【覚悟】。近しい所もあるかと思うが、微妙に違うような気がしないでも無い。でも、ヨーロッパのトップリーグで何年も経験し、各国から、あるいは色んな環境から集まってきている選手達に接してきて、その【覚悟】に対する微妙だけれど、確実にある違いというものを彼は感じていたのだろう。

さて次のぼくの興味は、ヒデ以外の選手達がどう感じていたかと言うことと、もしヒデのこのインタビューを見聞きしていたら、どのように受取っただろうかということだ。ぜひ、反論なりなんなり聞いて見たいものだ。

そして最後にヒデが今回使った【覚悟】という言葉。これってサッカー日本代表にだけ言えることじゃないだろう。日本全国、もちろんぼくも含めて【覚悟】の無い人間がワンサカ居るに違いない。

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