ヒデの引退に思う

ヒデ(中田英寿選手)が引退を表明した。決ってから言うのも何だけど、ぼくはあり得ることだと思っていた。それは今までの彼の言動を見ていてそう感じた。随分前から、たぶんイタリアへ渡った頃から、『人生、サッカーだけでは無い』という気持ちを持っているんだなと強く感じたのだ。

もちろんそれはその通り、人生がサッカーだけなんてあり得ない。ある人にとってサッカーが人生の中で大きなウエイトを占めるとしても、人生にはその他諸々のことが山ほどある。だから今回の早めの引退(早いよね?)の決断について、当たり前だが批判とか、責める積もりなど毛頭ない。つまり引退の時期というのは、あくまで本人が決断することだ。

ただ、一サッカーファンとして『惜しいなあ、もうちょっと続けて欲しかったなあ。』というのがぼくの思いだ。あくまでネットも含めたメディアの情報によると、ヒデと他の日本代表選手との間にギャップがあるとのことだった。それもプレーの質とか技術的なものより、たぶんに気持ちや精神的な要素のものだったっと受取っている。確かにテレビ画像に映し出される選手達の表情を見ても、なんとなく『さもありなん』と感じてもいた。

実際、今回のヒデ本人のコメントでも『メンバーには最後まで上手に伝えることは出来なかった。』と述べているように、本人の想いと他の選手との間に、少なくともヒデ本人が感じるギャップが存在したのだと思う。はたしてそれがどんなギャップだったのか?言葉にできるものなのか?また他の選手達はどのように想い、感じていたのか?いずれ何らかの形で聞いたり読んでみたい。

ぼく自身はヒデの考えていること、想っていることがほんのりと判るような気がする。ただ、今のぼくにはそれを言葉として論理的に表現できない。でも”感じ”として『ヒデの言っていることは正論だよ。』そんな風に思う。ただし、正論は時として窮屈でもあり、そして相手に真意が伝わらなければ、その窮屈さを増幅させもする。

勝手な考えだが、おそらくヒデの正論はヒデの伝え方では、総てが、あるいは真意が伝わらなかったのではないだろうか。その件に関しては伝える側にも技量が足らなかったと言えるかもしれない。でも、もしヒデが現役を続行していれば、事態はかなり良い方向に向かうのではと期待もしていたのだ。俗に言う一皮も二皮も剥けると言うか、ヒデ自身にも上手く伝える術が備わるのではと、勝手に期待していたのだ。

いや、ヒデだけではない、彼も含めて、何人かは引き続き代表として残るであろう今回の代表も、今回の結果が、きっとそのきっかけを掴む経験になるだろうと思っていた。伝える側は術を持つだろうし、今回ヒデが伝わらなかったと思った相手が、自分で何かを感じたかもしれない。そのことでギャップが埋まり、もし新しい代表が入ってきても、複数の人間が共通認識を持つことになり、彼らが若い選手達を引っ張って行くかもしれない。

と、ここまで書いたら、ぼくが今後のヒデに期待していたことが、ヒデが居なければ伝わらないことなのかと思えてきた。他の代表が貴重な実際の経験として、どんな想いを胸に秘めたかによるが、おそらく彼らも今回の結果に対して、技術だけでは無く気持ちとして足らなかった何かを感じた筈だ。

だとしたら、単純に選手としてまだまだやれるのにという思いはあるが、ぼくの考えは徒労であり、そして他の代表達にもちょっと失礼なことなのかもしれない。でも一皮も二皮も剥けたヒデをピッチ上で見たかったなという思いは確実にある。

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コメント (2)

中田と他の選手の意識が乖離していた原因として、橋渡し役になれる選手の不在も挙げられると思います。その役を期待されていた同年代の宮本は主将の仕事をするのに手一杯でしたし、同年代の松田や三浦アツ、ベテランの藤田は招集されず。前回大会の中山や秋田のような存在がいれば…と今更ながら思わずにいられません。

オシムの元、新しく日本サッカーの拠り所となれる選手が現れることを期待します。

 ryangiggs1123さんコメント並びにトラックバックありがとうございます。トラックバックがどういう訳かスパムに引っ掛かってしまい、公開遅れました。すみません。
 コメントのご指摘、確かに孤軍奮闘の感はあったのかもしれませんね。ただ、ヒデのように長年ヨーロッパトップリーグでプレイをした経験者はやはり少なかったのかなとも思います。
 もっとも、その経験が無ければ駄目なのかと言うものでも無いようにも思います。こりゃ、サッカーに限らず、日本の現状社会が持っている根深い問題なのかななんてことも考えております。

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