『ウェブ進化論』あちら側のビジネスモデルは?

| コメント(0) | トラックバック(1) Clip to Evernote

ネットの『こちら側』と『あちら側』という言葉に反応した。

『こちら側』と言うのはよく判る。今、モニターに向かってタイピングしている僕を含めたインターネットの利用者だ。

そして『あちら側』、著者が言うにはインターネット空間に浮かぶ巨大な情報発電所とも言うべきバーチャルな世界。何となくニュアンスは掴めるのだが、正直『こちら側』と較べると霞がかかった感じになる。

でも、こうしてブログを運営している位だし、日々、ネットに漂う不特定多数の人達の情報や知識に、『こりゃ凄い、面白い』と思っている僕としては、著者の説明の上手さも手伝って、最後まで興味深く読み進めていった。

読んでいる間に、『あちら側』にもビジネスモデルって存在するのだろうかという興味が沸々と湧いてきた。

『こちら側』のビジネスモデルは、供給者がその利用者に対してパソコンを製造し販売したり、ソフトを販売したり、通信などのインフラを整備し、それをサービスとして提供する。いずれにしても、利用者から直接、物やサービスに対しての対価を受け取るか、Googleに代表されるように、直接利用者から対価を得るのではなく、広告によって収益をあげるパターンだ。民放のテレビやラジオも後者のパターンだと思う。

だからビジネスパターンということについて考えれば、Googleとて、現状では突拍子もないことをやっているのでは無いと言える。ただ、Googleが『あちら側』に相当目が行っているということは感じるし、またそういう意識がなければここまで成長もしなかったのではと漠然と思う。

では、著者が言うように『あちら側』に付加価値創造のシステムを作りこめたとして、果たしてそこに収益源というものが存在するのだろうか?もし存在するとしたらどういうものなのだろう?それは、やはり今のGoogleの様に直接利用者から対価を得るのでは無く、広告という収益源だろうか?それとも、たとえ小額と言えども、サービスに対しての課金ということになるのだろうか?はたまた現状では考えられない何かだろうか?

少し方向性が違うかもしれないが、著者が日本の大手製造業幹部とGoogleについて話すと、『Googleってビジネスモデルは広告業でしょ。』と言ったニュアンスで興味を無くす人達が多いとあった。しかし、それはまさに『あちら側』という物を鼻から頭に思い描かずに出てきた言葉ではないのだろうか。

Googleにしたって、『あちら側』に付加価値創造のシステムを作りこめた後のビジネスモデルを確立していないのかもしれない。ハッキリビジネスになるとは判らないけれど、きっと何かある。大きな変化を起こすに違いないとの信念で、日々面白そうだとか、便利になるだろうと思うシステムなりソフトを創っているのかもしれない。

この本にもそんな具体的なビジネスモデルについては語っていない。著者の頭の中には具体的なモデルもあるのかもしれないが、少なくともこの著書の中では語られていない。

だから『なあーんだ』と落胆したのかと言えばそうでは無い。もちろん興味の点から言っても、新しいビジネスモデルの具体例があるなら知りたいと思うけど、はたして、誰もが直面したことの無い新しい波の中で、具体例って簡単に出て来る物だろうか?その新しい波のうねりの中に飛び込むか、流れを敏感にキャッチするしか具体例って出てこないのではと思うのだ。

それに、はたしてGoogleの創業者が会社を興した時、最初に広告を収益源にしたら儲かるということを思っただろうか?もちろん頭の良い人達だろうから、当初から収益源のことは考えていたに違いないと思う。しかし、これはあくまで想像だけど、収益源は二の次とは言わないが、やりたい事を進めて行くには何処から収益を上げるかと考えたのではないだろうか?つまり、最初には『こうしたい、こうありたい。こうなったら便利だ。面白い。』そんなやりたい事があり、そして、やりたいという気持ちの方が強かったのではないだろうか。

僕は、そこに金の成る木があるからという発想が良くないと言うつもりでは無い。それよりも、切っ掛けはどうであれ、『あちら側』の世界に興味を示して触れてみないことにはその大きな変革のうねりも感じられないのではないだろうかと思っている。大事なのはそこを理解するか、いや理解できなくても何があるんだろう?どう変わるのだろうという興味を持って係わって行くこと、想像を巡らせることが大事なんだろうと思う。そうすれば、もしあったとしたら、『あちら側』の新しいビジネスモデルも見つかるのかもしれない。

いずれにしても、この『ウェブ進化論』は【本当の大変化はこれから始まる】と副題にあるように、これから始まる大変化に想像を巡らせてみたいと思うに十分な切っ掛けを与えてくれると思う。

4480062858ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
梅田 望夫
筑摩書房 2006-02-07

by G-Tools

トラックバック(1)

トラックバックURL: http://www.sumainobaiten.com/blog/mt-tb.cgi/1150

休日で一時帰国した際に梅田望夫さんの『ウェブ進化論』を購入し、さっそく読ませていただきました。私が興味を抱いたのは、「こちら側」と「あちら側」についてでし... 続きを読む

コメントする

track feed 感じ通信
あわせて読みたいブログパーツ
OpenID対応しています OpenIDについて
Powered by Movable Type 4.29

カレンダー

<   2006年3月   >
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

このブログ記事について

このページは、keizoが2006年3月 8日 22:42に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「RAW現像って?」です。

次のブログ記事は「そう言えば、なぜ潰れないんだ?」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。