村上龍『半島を出よ』を読んで

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連休中に村上龍の『半島を出よ』上下刊を読了する。上下刊とも結構厚めだったけれど、物語に引き込まれ、あっと言う間に読み終えた感じがする。

近未来の福岡を北朝鮮の反乱軍と称する特殊部隊に占拠されてしまう。侵略されてしまったと言ってよいのだろう。

読み進めていくうちに、侵略されていることに憤りと言うか、怒りのような感情が出てきて、フィクションとは言え、少なくとも僕はかなり感情移入をしてしまった。

自分では特に愛国心が強い方だとは思っていなかったが、他国(厳密には北朝鮮の反乱軍だから国を代表しているとは言えないのだけれど)に武力を背景に制圧され、侵略されることがいか程のものかと言うのを、想像の上での疑似体験だけれど感じたような気がする。

でも考えてみたら、日本もかつては他国に対して同じようなことをしたんですよね。その経過だとか、そうならざるを得なかったとか、悪いことばかりをしたのではないということもあるだろう。

しかし文化や歴史、少なくとも生活習慣なりが違う人達を、武力を持つ者がその武力を前面に押し出して、自分たちの理屈や文化で統治しようというのは、統治される側にとっては相当な憤りを感じるだろうと思う。

中国で反日本に対するデモが頻発した時、やはり嫌な気持ちだった。国という組織として、過去の過ちを怨念に近い形で教育し、伝えていくことが果して良い結果を産むのだろうかとも思った。

現状では国という組織が、その組織に所属する人間に対して便利さも含めて機能しているのは、多くの人にとって事実だろう。だから国の利益を考えたり、その国を主体に物事を考えるのは至極当然なことかもしれないし、今のところそこから抜け出して考えるのは難しいことなのかもしれない。

だからこそ、一人一人は国という枠から外れて考えることがあっても、国という組織がついて回るのだろう。

話が横道に逸れながら書いている気がする。僕自身にそんな状況を打破する妙案がある訳ではない。複雑怪奇で単純ではないと判った上で、もし対立が存在した場合、やはりとことん話し合うのが一番良い方法なのではと思うだけです。

ただ、話し合うにも自分の主張だけを延々と述べてもいかがなものかと。相手方の気持ちを理解したり、少なくとも想像できれば、かなり実のある話し合いになるのではないだろうか?

そんな意味で、侵略される側の人間がどんな気持ちになるのか?『半島を出よ』という物語が、武力によって侵略され統治されるという雰囲気なり感覚を十二分に味合わせてくれる物語だと、お薦めしたいと思った次第です。

 

『半島を出よ』村上龍著 上下刊(画像クリックでアマゾンへ)

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面白い作品でした。 正味、三日ぐらいで集中して読了しました。

面白い作品でした。 正味、三日ぐらいで集中して読了しました。映画化が楽しみです。

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