小さい頃、多かれ少なかれ、周りの誰かと較べることがあった。たとえば誰それの家にはテレビがあるとか、クーラーがあるとか。口に出して、同じ物が欲しいと言わないまでも、何処かで羨望をしていたような気がします。
でも年を取るにつれ、その気持ちがどんどん薄れてくる。あくまでぼくの場合ですけど。
だからと言って、物欲が完璧に無くなるわけではありません。物欲自体もかなり薄れてきたのは事実だけど、あくまで基準が自分に必要かどうかになって来たんですね。
そこで、こんな想像が頭をもたげてきました。もし削れるだけ削れば、自分の周りにはどれだけの物が残るだろうと。一度やってみたいなあなんて思いました。
でもこの想像、実際にやるとなると、独り暮らしの方がやりやすいでしょうね。やっぱり、たとえ家族でも別人格だし。それぞれが必要としているもの、良しとしている物って微妙に違うでしょうしね。
両親と同居するようになって、母が戴き物の菓子箱などを後生大事に取っておき、居間などに積んだままにしているのを見て、仕舞っておくことが出来ないなら捨てれば良いのにと思うことがたびたびあります。
菓子箱だけではない。古くなって使わなくなった炊事道具だって、どうしても捨てられない。おかげでキッチンの棚は、まるで納戸と化している。
整理下手な母にも問題はありますが、同居人がいれば、居間やキッチンなどの共有スペースを自分だけの好みにするのは難しい。
長年独り住まいをしていて、久しぶりに同居となると、独りで気ままに暮らしていた時とは違う、ある種絶妙なバランス感覚が必要なのかもしれません。でも子供の頃にはそんなこと考えなかったんですけどね。


